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Life06.06.2016

MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事 / 国立新美術館へ行ってきました

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去年、知らされた時からずっと楽しみにして、店頭でいただいたフライヤーをボードに貼っては眺めていたMIYAKE ISSEY展。ようやく行くことが出来ました。

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国立新美術館、というだけで既に見所です。

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入口から三宅さんの世界が始まり、案内のひとつひとつも見落とさないように、逸る気持ちを抑えながらゆっくり、ゆっくり進みました。

どの作品も360℃ぐるりと見ることが出来る展示は本当に嬉しい。後ろに回れないものは背後に鏡を置くなど、見る人への配慮がひしひしと感じられました。

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中でも目玉と言えるのは、コレクションのミニチュアを実際小さなトルソーに着せられること。異なるデザインのものが3着あって映像に合わせて着せたり畳んだりすることが出来ました。

最初は「見てるだけでいいや」と思い、恐らく服飾系の勉強かお仕事をされているだろうお兄さんの作業(他の人より縫製や仕組みに対して熱心だった)を眺めてたのですが、目の前で見てるとなにか違う。ぐいぐい引き込まれる「不思議」と「美しさ」があり、やっぱり触ってみないと、という気になるのです。そして実際やってみると「ただ見てるだけ」と「着せてみる、畳んでみる」とは大違いというのが実感でした。

人も並んでおり、結構時間もかかるので気に入った一着だけ…と思ったのですが、一着着せてみると後のデザインもどうなってるのか気になってやらずにはいられない。ああ、時間がたっぷりあって本当に良かった。しっかり3着着せてきました。着せた後は皆、三宅さんのマジックに放心状態。お荷物を忘れないよう…と注意書きがあるものの忘れる方続出(笑)

その後は映像作品。こちらも5本流されるので全部観ようとすると結構な時間がかかります。いやいやしっかり観ましたよ。過去の映像や素材を作る人々の様子、デザインのコンセプトに合わせた水中での撮影や風にたなびく姿はコレクションの究極の美しさが現れていて「こういうことだったんだ」と思うことばかりでした。

映像のブースを出ると、大きな壁一面に綴られた三宅さんの仕事年表に圧倒されます。他の人の何倍も生きているような仕事の量…見渡すのが精一杯。私はこの何万分の、何億分の一を生きられるのだろうか…宇宙をただよう塵のような気分に…。(それもおこがましいと思いつつ)

Twitterなどでサーチしてみると「軽く3時間いた」「見応えあり」「実際着せられるのが良かった」という声が多く、やはりやはり。皆さん、そうでしたよね。

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配布されていたガイドブックは子ども向けだけど勿論大人も楽しめる仕掛け。そうそう、普段見ることが出来ないミヤケデザインの「子ども服」がとびきり可愛らしかった!子ども向けのワークショップもあったようだし、その中から未来のデザイナーさんが出てくるのだろうね。

期待以上、観覧料以上の価値と満足。人を楽しませるってことをとことん考えられた展示でした。
行くことが出来て本当に良かった!

Life01.02.2016

東京のハーブ農家、ニイクラファームさんへ行ってきました

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小沢さんの車に乗せていただいて、ちょっと。場所は東久留米市から西東京市へ。小沢さんの親戚にあたるニイクラファームさんへもお邪魔することになりました。

ドアを開けると、まず飛び込んできたのはお父さんの会話。「タラゴンはなぁ…」え、タラゴン?タラゴンがあるの??タラゴンと言ったら、そこらで見かける物ではなく、フランスのお土産だとか、どこかの有名シェフが使う話でしか聞いた事ないよ。

それもそのはず、ニイクラファームさんは東京の有名レストランから厚い信頼を寄せられており、大手メーカーの名前でも出荷している、ハーブでは有名な農園なのです。知らずに来てしまってすみません…。

ほどなくして息子さんがいらして「さぁ、何からお話ししましょうか?」え、あ、東京の専業農家さんについて…「厳密に言うと、うちは専業じゃないんだよね。あと、実は東京に『農地』はないことになってるんです。」えええ!?

そこから始まった都市農業と、いわゆる農村部と呼ばれる地域との違い…。三大都市、政令指定都市にあるのは農地ではなく『生産緑地』であること。管轄は農林水産省ではなく国土交通省であること。それによる自由と不自由。利点と欠点。時代の流れによって扱いも違えば言われることも違う。そんな中、ニイクラファームさんは先祖代々受け継いだこの土地で、常に未来を考えて農業をされて来たそうです。この土地、東京で求められているもの…それこそが今のハーブな訳です。

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ハーブ以外も変わった野菜がたくさん。最高の笑顔でりっぱな大根を抱えるお父さん。こちらは「お袋大根」と言うそうです。煮込み料理に最高なんですが、なにせこの大きさ、流通させるのが難しく、ほぼ地元で消費してしまうのだとか。

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印象的な色の赤大根。まぁ普通に大根として食べれば良いそうですが、小沢さんに「こういうのは、おしゃれなレストランの料理にちょこんと載ってるのがいいんだよ〜」とはぐらかされてしまいました。

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毎日どーんと新鮮なハーブが出荷されて行きます。宛名を見ると…錚々たる行き先ばかり。ちなみにこの爽やかで可愛いらしいマークとロゴは、デザイナーである小沢さんの妹さんのお仕事。いいですね〜!

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さて、お話を伺いつつ、ハーブの見学へ。まず外に出ると「あの建物の2階、窓がありますけど何か判りますか?」えーっと…それはもしかして小沢さんちにもあった、デザイナーの妹さんがギャラリーの名前にしている…「蚕室、昔はおかいこさまがいたんです。」やっぱり!この辺りは皆さんそうなんですね。農業と蚕業を兼ねてらしたそうです。お聞きしてはいたけど、東京で絹が作られていたという事実は、やっぱり不思議な感じ。

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「それからこの石、実は漬物石なんです。」仕切りのような、囲いのような使われ方をしている石がたくさんあったのですが、それが全部漬物石ですか?「昔は大きな樽で漬け物を作っていたんです。今はやってませんが、またいつかそんな時が来たら、漬物石探すの大変でしょう?こうしておけば、いつでも使えます(笑)」さすがです、常に先を見越しています。

「そこ、この前の雪で」え?うわあああ!

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幸い誰も中にいない時だったそうですが、昼間の休憩中、ドスンと大きな音がして見に来たら、すでにこんな状態だったそうです…皆さん、ご無事で何より。(中のスペアミントさんもとりあえず無事で何より)
今回の雪は積もった後、雨になったせいで重くなり、ハウスが耐えられなかったそうです。

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何もないように見えますが…

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ちゃんとハーブが育ってます。

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一口にレストランのシェフと言っても色々ある訳で…イタリアンのシェフは大きい物、フレンチのシェフは小さい物を好まれるそうです。と言うと「バカ言うんじゃない、ウチが標準だ!」とケンカになるので(笑)イタリアサイズ、フランスサイズなどなど、分けて出荷するため、敢えて成長をずらして育てるそうです。お好きなサイズでどうぞ〜。

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ブオン!という音に振り返ると奥のマシンがビニールの筒に温風を送り始めました。こうして温度調節をするんですね。筒がふわっと膨らむ瞬間は結構壮観。人間にもこの温かさはありがたい。

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「うちはカタバミも育ててるよ」カタバミって食べられるんですね!

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ここは入っただけで何があるか解るほどの芳香…ローズマリーの森!

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森と言うに相応しい生い茂り方です。かき分けかき分け奥へ進むと…

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花が咲いてる場所へ。

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花が咲いたら使えないんですか?「いや、むしろマイルドになるから、花が咲いてるところが欲しいって言うシェフもいますよ」そうなのか〜。「花も食べられますよ」このまま?花を?恐る恐る口へ運ぶと、なるほど柔らかい甘み。どんな料理に合わせるのかなぁ…。

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珍しい南山椒(カレーリーフ)も。

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手前が赤小松菜で…

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奥が赤法蓮草。一緒に育ってましたが、こうして見ると結構違いますね。

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珍しいナスタチウム。日本のわさびの風味に近いです。サンドイッチの薬味などに使うそう。もし外国で、わさびがなくて、そばを食べたいと思ったらナスタチウムを薬味に…と考えてしまいました。

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「ここにも!ヒヨドリが!」小沢さんの声に振り返ると…
黒キャベツのどこかがひよどりにやられているらしいです…私にはわかりません…。それにしてもこれ、おもしろい野菜ですね。キャベツの原種に近くて、収穫できる回数が多いそうです。


ひとつひとつ見る度に丁寧なお話を伺いながら、ぐるりと回ると日が暮れて。
事務所へ戻ると農園の守り神さんがいました。御歳十六。頼もしいです。

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温かいお茶をいただいていると配送業者さんがやってきて、慣れた様子で次々と出荷作業。こんな風に、全国に、数十年前までは名前すら聞き慣れなかったハーブが新鮮なうちに届くんだなぁ。

「東京で農業って?」という軽い気持ちで伺った今回、不勉強な私にはとても書ききれるものではない深いお話を沢山伺いましたが、小沢ファームさんのTwitterなどから感じていた「東京の農家の真剣さってなんだろう?」という密かな疑問の答えは、ニイクラファームさんからいただけました。常に耕し続けること、受け継ぐこと、土地を守ること、未来を考えること。都市という厳しい条件の中で地に足をつけて生きること。時代と共にしなやかに変化しながら「変わらない」こと。

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本当にいい仕事を見せていただきました。ニイクラファームさん、そして繋げてくださった小沢ファームさんに心より感謝です。

>> ニイクラファームFacebook
>> ニイクラファームInstagram

Life01.02.2016

東京の農家、小沢ファームさんへ行ってきました

東京で農家を営む…ってどんな感じ?
Cool, Cawaii, 電脳都市…画一的なTokyoのイメージばかりはつまらなくて、いつか「東京の地に足付けてる」彼女の仕事場にお邪魔したいと思っていたのでした。
何せ彼女の家は『享保の改革で入植した開拓農家の末裔』三百年を数える由緒正しいお宅。四季折々の行事や昔ながらの地域の話には、他の人には聞けない「今の東京」があります。

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東京都東久留米市にある小沢ファームさんへの最寄り駅は東久留米駅…ではなく花小金井駅。小平市にあるんですね。
降りてみると綺麗で落ち着いた駅前。ここから歩いて行ける場所に、そんな広い農地があるのかなぁ?

「けっこう距離あるよ?迎えに行くよ」という優しいメールに、周りの景色も見たいから…と言ってずんずん歩いて行くと、だんだん住宅が多くなり、道幅も狭くなり…人の生活が感じられる場所に。あ、あれは田無タワーだな?

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小沢ファームのTwitterでおなじみ(?)の田無タワーが見えてきました。ということは、もうすぐだ。

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田無タワーを眺めながら歩いて行くと、ふっと景色が広がった。わ、畑だ。

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黒々とした、カカオパウダーのように綺麗な土。鉄線が張られた狭い道は田舎育ちの私にも身近に感じる雰囲気。抜け道なのか結構な交通量で、何台も車とすれ違いました。

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着いた〜!…とその前に気になるものが。庚申塔?

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ふむふむ…なにかこう…「夜通し飲む理由」を感じるぞ。
(ちなみにこちらは小沢さんちだけど小沢さんちとは関係なく、庚申を信仰している方達がお世話なさってるそうです。)

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入って大丈夫かな…?と思うところを入って行くと、いつもTwitterで見る直売所が。
「おお〜いたいた!」何年振りかな?丁度ドイツに行くちょっと前だったよね。彼女とは数少ない、長い仲。

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残念ながら直売所は冬期休業中。農作物には季節があります。あたりまえ。あたりまえだけど忘れがち。

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看板猫(用心棒?)のチョコくんもお休み中…でかっ!6kgあるそうで、頼もしいばかりです。毛並みも歯も綺麗だよね〜いつも見てるよ〜。

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暖められた玄関先で美味しいお茶をいただいて(狭山茶かな?)「さて、何が見たい?」と、貸していただいた靴に履き替えて。お気遣いありがとうございます。

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まずは土地神さまにごあいさつ…と、この辺の方が集まる神社へ。子どもが生まれたら参ったり、消防団のやぐらがあったり、公民館のような役割も果たしているそうです。うんうん、欧州の田舎の教会も、そういう役割を持っていたりするよね。

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大きな根っこは、手入れが困難になって切られた大木の跡。うーん、もったいないけど、周辺のことや土地の人達の手間を考えると仕方ないよねぇ。

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それではファームの方へ…綺麗な黒い土の下を掘り起こすと白っぽい赤い土が出てくるそうで、それが関東ローム層だとか。来る途中で見ていた鉄線が張られた畑も小沢ファームのものだとか。ええっ、じゃああっちまでずーっと小沢さんちなんだ。広いなぁ。

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丁寧に手入れをされている土。

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ビニールハウスの中に入るとむわっと温かい。一気にカメラが曇ります。伺ったこの日はとても寒く、ハウスの温もりが身にしみました…。

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これは新しい育て方らしい…が、小沢さんは昔ながらのやり方の方が得意だそうで。「なかなかうまくいかないのよね〜」ううーん、そういうこともあるのかぁ。試行錯誤したり、情報交換したり、勉強会があったり…日々変わって行く、変えて行くお仕事です。

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燃えるおと〜この〜あーおーいートラクタぁ〜。

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「ウチなんかぁ見るとこあるかい?」とお父さんがいらっしゃいました。お邪魔してます!噂ではチャキチャキでちょっとおっかないイメージでしたが、にこやかでシュッとした紳士さんでした。ユンボがお好きだそうです。

しばらくすると旦那さんからブロッコリーが届くとの連絡が。あ、お邪魔してます〜…。

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どどーん!もぎたてピチピチ、大きなブロッコリーがやってきました。
近くのスーパーに卸す分らしいので、私もタグ付けをちょっとお手伝い…と言ってもタグにシールを貼っただけですが。

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最近は「そのまま売れる状態で」納品する必要があるそうで…ブロッコリーにタグを付けるのは結構苦心されたそうです。テープを巻く?茎に付ける?考えた末、輪ゴムを付けたタグを茎と枝に引っ掛ける方法。これなら外れにくいし野菜を傷めることもありません。なるほどー。そういうことまで農家さんが考えないといけない訳ですね…。

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「ヒヨドリ!やられた!」見ている分には可愛い野鳥との闘いもまた現実です。

「ウド知ってる?ウド」ウド?ウドって野菜の?

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今は使われてないそうですが、ウドを栽培するための地下室(ムロ)だそうです。こわい!
「ガスがたまるから結構危険なのよね」こわい!!中で倒れたお父さんを助けに行った息子も倒れて…とかよくある話だったそうです。(あ、小沢さんちの話じゃなくてね)

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田舎に住んでるからと言って、農家が身近な訳ではないけど、いつかどこかで見た風景がここにもあって。土地を守るって、どこでも一緒だなぁと思うことも。国が違ってもね。

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さて、彼女とご親戚のご厚意で、もうひとつ。この後は東京のハーブ農園に案内していただきます。
つづく〜。

>> 小沢ファームTwitter